世界を変えるiPS細胞の実力はここまで来た!

世界を変えるiPS細胞の実力はここまで来た!

世界を変えるiPS細胞の実力はここまで来た!

~まだまだ湧き上がる再生医療への期待~

近年注目を集めているiPS細胞(人工多能性幹細胞)。様々な組織や臓器に分化できるように人為的に作成された細胞ですが、今後の医療でどのように期待されているのでしょうか?

iPS細胞とは?

あらゆる細胞は、元々は一つの受精卵に由来し、細胞分裂を繰り返して様々な組織や臓器を形成します。細胞が一旦組織や臓器を形成すると、他の組織や臓器に分化する力はありません。こうした細胞に特定の遺伝子を注入することによって初期化し、あらゆる組織や臓器を形成できるようにした「万能細胞」が、iPS細胞です。

iPS細胞の医療への応用

iPS細胞は、主に以下の分野への応用が期待されています。

(1)再生医療

病気や事故などによって機能が失われた組織を、患者さんの細胞から作製したiPS細胞で培養して移植すれば、健康な状態に戻すことが可能という考え方です。患者本人の細胞から作製した組織のため、拒絶反応のリスクが少ないと言われています。しかし、癌化の可能性が完全に排除できていないことや、実際の応用には費用がかかりすぎることなどから、まだ研究段階であることは否定できません。

しかし、この治療法が確立されれば、臓器提供者不足の改善にも繋がるため、今後の研究の進展が注目されます。

(2)創薬

iPS細胞から病気の組織や臓器を培養して、薬の効果や副作用を試すためのサンプルとして使用することで、最も効果の高い化合物を調べるのに役立つと考えられています。

新薬開発プロセスの初期段階では、動物実験を行って複数の化学物質の中から効果のある物質をスクリーニングしていきます。あくまで実験動物が対象なので、必ずしも人間に同じ効果があるとは限りません。

その点、iPS細胞は人体細胞そのものなので、この問題が大幅に改善され、新薬開発のスピードアップに繋がると期待されています。

(3)治療法の解明

従来の医療では採取が困難であった組織の細胞をiPS細胞から作製することで、難病の原因や発病に至るメカニズムを研究できるようになりました。

例えば、日本人の死因第2位を占める心臓病の中には、未だに治療法が解明されていない難病も含まれています。こうした難病の治療法の開発が遅れていた最大の理由は、倫理的・技術的問題により、人の心筋細胞を使った治療法の研究ができなかったことです。しかし、iPS細胞を使用して患者さんと同じ心筋細胞を再現することで、治療法が解明される可能性が高まっています。

医薬品業界の動き

医薬品業界でも、再生医療技術への期待と発展に伴い、各企業で積極的な動きが見受けられます。

  • 富士フィルム:iPS細胞を開発・製造する米セルラー・ダイナミック・インターナショナル(CDI)を370億円で買収することを2015年3月に発表。
  • ニコン:iPS細胞も視野に入れた再生医療向けの細胞を量産する工場の建設を発表、2017年の稼働を目指す。
  • 武田薬品:京都大学iPS研究所と共に、今後10年で200億円の研究資金を提供して共同研究することを2015年4月に発表。

医療技術の発展に伴い、MRの営業現場でも新薬の情報を提供する際に副作用まで確実に確認できていることが説明できるなど、今までとは違うレベルで価値提供ができるようになるはずです。今後も、目が離せない専門分野になることは間違いないでしょう。

 


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