症例ベースの活動とは-新規処方獲得から症例後のフォローについて

 

【症例ベースとは】

製薬会社では、よく症例ベース、もしくは患者志向のMR活動をしましょう、と言われますが、症例ベースの活動とはどんなMR活動なのでしょうか。特に、オンコロジー領域やスペシャリティ領域ではよく言われていることですが、プライマリー領域でも言われることがあります。症例ベースのMR活動とは、患者さん一人一人に焦点を当てた活動をベースにすることです。すなわち、糖尿病患者さんがいる場合、糖尿病患者さん全体に焦点を当てた活動をするのではなく、糖尿病患者さん個々に、一人一人にフォーカスした活動をすることです。現在、ドクターが診ている糖尿病患者さん一人一人に対して、ある程度詳細な状況を把握しつつ、薬物治療を通し、患者さん個々の状態に応じた、最適な提案やフォローをする、といった活動です。つまり、マクロな視点だけではなく、ミクロの視点も持ち活動し、特に、よりミクロの視点にフォーカスし活動する、ということです。では、その症例ベースの活動をすることで、MRにとって、何か利点はあるのでしょうか。

 

【症例ベースは何が良い?新規候補症例の事前情報を掴む】

患者さん一人一人にフォーカスした活動は、具体的な提案やフォローがしやすく、自社製品の利点を患者さんの利点に繋げやすくすることができます。また、症例ベースの活動をすることにより、患者さん個々にフォーカスすることで、ドクターやコメディカルの方々から詳細な情報を入手できることも多く、事前に教えて頂いた情報により、患者さんが今どのような状態で、どのような治療が必要か、どのような薬物治療が適しているかなどが、早い段階でわかることが多いです。ということは、競合他社製品が多くある領域の場合、事前に患者さんの詳細な情報を掴むことで、自社製品の利点を、タイミングよく状況に合わせ、訴求しやすくなります。どのような(状態の)患者さんに、どのような使い方をすれば、自社製品のメリットが最大化できるのか、これができるのが、症例ベースの活動のメリットです。競合他社と差別化を図る、もしくは競合他社と比べて、立場やシェア等で優位に立つには、患者さんの事前情報の素早い入手が欠かせません。もちろん昨今、コンプライアンスの観点から、患者さんの個人情報入手には非常に厳しくなっていますので、患者さん情報の取り扱いには、細心の注意が必要です。コンプライアンスやモラルを守り、症例ベースのMR活動を心がけたいですね。

 

【処方後のフォローは欠かせない】

MRにとって、新規処方(症例)を獲得することは重要ですが、ただ新規処方(症例)を獲得するだけではいけません。新規の患者さんに自社薬剤を処方して頂いた後、つまり、MRにとって、処方後のフォローは欠かせません。特に、オンコロジー領域の製品は、副作用の発現頻度が高く、投与後、重篤な副作用が発現し、投与中止に至るケースが多く見られます。1例使って、「良かった、終わり。」ではいけないのです。適正な症例フォローが必要なのです。この症例フォローを怠ると、患者さんはすぐに離脱し、処方先のドクターからも、自社製品に対して良い印象を持たれることも少なくなり、さらなる新規処方が遠のきます。この症例フォローも、症例ベースのMR活動の一環です。では、MRとして、症例フォローをするために、具体的に何をすればよいのでしょうか。まず、新規処方がある場合、次回の外来日を確認します。もちろん正確な外来日まで把握できなくても、大まかに、一週間後や一カ月後等のざっくりした、期間でも構いません。そして、2回目の外来の後に、患者さんがどのような状態か、副作用は問題ないか、検査値は問題ないか、効果はどうか(一週間等ではなかなかわかりませんが・・・)、など、確認し、副作用の発現があれば、適正な副作用の対処方法や予防方法について、最初に紹介しているものの、改めて、になるかもしれませんが、再度紹介します。それを、外来日ごとに実施します。毎回の症例フォローを確実にできているMRは決して多くありません。いつの間にか、患者さんが副作用で離脱していた・・・、効果不十分で他剤に切り替わっていた・・・、といったケースは頻繁にあるのです。ぜひ適切で継続的な症例フォローを実施し、患者さんや先生方に、この薬使って良くなった、と言ってもらえるようなMR活動を心がけたいですね。